HOME水素水 還元水 浄水器トピックス厚生労働省「水素ガス吸引」認可

水素ガス吸引 / 水素ガス吸入療法

水素ガス吸引の厚生労働省から総括報告と医療認可取得に向けて。

平成29年1月28日

2016年12月9日に「水素ガス吸引療法Jが厚生労働省の先進医療Bとして認可されました。
水素ガスの効果と安全性を世界に先駆け、日本国(厚生労働省)が認めました。

第3頁先進医療【先進医療B] (66種類) 68番 水素ガス吸引療法

水素ガス吸入療法

実施診療科: 救急科

承認年月日: 平成28年12月1日

適応症: 心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)

主な内容

先進性

水素吸入療法は水素ガスを酸素とともに吸引する画期的な治療法です。これは全世界で初めての治療法で、これまで水素ガスは様々な病気や病状に対して効果のあることが動物実験で示されてきました。しかし、ヒトに対して、本当に効果があるか否か、これまで全く試されてきませんでした。また、水素ガスは酸素ガスと反応して爆発する危険があることは広く知られていますが、その危険のない範囲で用いることができるようになりました。今回の水素吸入療法が確立されれば、様々な場面で水素吸入を行うことができるようになります。水素吸入自体には、大掛かりな装置は不要ですので、簡便で効果的な治療が行うことができます。大きな病院以外でも、大きな医療機器がなくても施行可能な画期的な治療なのです。

概要

今回、水素吸入療法を行うのは、心停止後症候群と言われる状態を対象にしています。心停止後症候群とは、病院の外で、突然に心停止(心室細動と呼ばれるような不整脈が突然発生することによっておこります)になり、救急蘇生術によって心臓の鼓動が再開したけれども、脳をはじめとした臓器の機能が損なわれた状態です。心停止後症候群になると、一部は、完全に回復して後遺症をほとんど残さずに社会復帰を果たされますが、高度の障害が残って、寝たきりの状態や、いわゆる植物状態のような状態になられることがあります。これに対して、従来、低体温療法(現在は体温管理療法と呼んでいます)と呼ばれる集中治療を行って、脳のダメージを最小限に食い止める努力を行ってきましたが、それにも限界がありました。今回の水素吸入療法は、この体温管理療法に加えて、水素ガスを酸素に加えて吸入していただくものです。爆発の危険のない、2%水素を18時間だけ吸っていただきます。心停止後症候群の社会復帰がさらに増えることを期待しています。なお、水素吸入療法は、まだ確立された治療法ではありません。この先進医療技術は、水素吸入療法が有効か否かを確かめるために行われます。有効か否かを確かめるには、水素が入っている酸素と窒素を吸っていただく場合と水素の入っていない酸素と窒素を吸っていただく場合とで比較を行う必要があります。さらに、科学的に最も精度良く検証するために二重盲化と言って、この吸入を行う医師も吸入する患者さんも、水素が入っているか否かがわからない状態にします。このようにして、本当に水素吸入療法が治療法として優れているのかを確かめることになります。

効果

水素ガスは体内で様々な有害物質を無毒化できるのではないかと期待されています。今回の心停止後症候群では、主に脳の機能に焦点を当てて、心停止になった時の脳の酸素不足のダメージを水素によって軽減しようとするものです。これによって、心停止後症候群から回復して社会復帰を果たす方が増えることを期待しています。また、水素吸入療法は世界初の治療法です。この技術が確立されれば、心停止後症候群以外の病状にも応用が容易になります。水素吸入自体には、大掛かりな装置は不要ですので、簡便に効果的な治療が行えるようになります。まさに画期的な治療法と期待を集めています。

2022年4月コロナウイルス感染症拡大の影響により、
一旦中止に、総括報告書の提出待ち。

厚生労働省HPより抜粋

2020年以降、COVID-19診療の最前線に 立ち、かつ救急医療が限界を超えてひっ迫する現況で症例の組入れを行うことは、実務的・倫理的に困難になった。さらに、COVID-19のまん延に伴い、救急蘇生についても気管挿管を優先するなどの治療上の変化があり、さらに、面会制限等から書面での同意取得に難渋するなど、医療環境が劇的に変化した。このため、 予定症例数360例に対して、登録症例数73例ではあるが、研究実施計画書に定めた中止基準、「研究対象患者の組み入れが困難で、予定症例数に達することが困難であると判断された場合」に該当すると判断し、認定臨床研究審査委員会において、中止が承認された。よって、本先進医療を取り下げる。なお、これまでに登録済 みの73例については観察期間が終了しており、総括報告書は提出準備中である。


水素吸入療法が院外心停止患者の救命および予後の改善に効果
−全国の救急医療機関で実施した臨床試験結果報告−

2023/03/22
慶應義塾大学医学部 東京歯科大学

東京歯科大学の鈴木昌教授(慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート特任教授)と慶應義塾大学医学部救急医学教室の本間康一郎専任講師、同内科学教室(循環器)の佐野元昭准教授らは、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート水素ガス治療開発センターの活動のなかで、国内15施設が参加した多施設共同二重盲検無作為化比較試験を行い、病院外で心停止になり心肺蘇生で心臓の拍動は回復したものの意識が回復しない状態で2%水素添加酸素吸入(水素吸入療法)を行うと、死亡率が下がり、意識が回復して後遺症を残さずに社会復帰する可能性を高めることを示しました。

心臓のトラブルなどで突然、心停止に陥った場合、ただちに心肺蘇生を行えば心臓の拍動が回復して救命されることは少なくありません。しかし、脳をはじめとした全身の臓器は心臓が停止して血液が巡らなかったために、大きなダメージを受けます。そのため、意識が回復しないまま死亡したり、重い後遺症が残ったりするのが実情です。現在は体温管理療法が行われますが、その効果はいまだ定まっていません。

本研究グループは、動物実験で心停止後に水素ガス吸入を行うと死亡率が下がり、脳の傷害が軽減することを報告してきました。しかし、人にその効果があるかどうかはこれまで証明されていませんでした。そこで今回、二重盲検無作為化比較試験という最も信頼できる研究方法で、院外発生の心停止患者に体温管理療法に加え2%水素添加酸素の吸入を行って、死亡率や神経学的後遺症が改善するか否かを検討しました。

おりからの新型コロナウイルス感染症のため、救急医療はひっ迫し、やむを得ず研究は早期に終了しましたので、目標症例数には到達せずに水素吸入療法が有効か否かをはっきりと示すには至りませんでしたが、驚くべきことに、90日後の生存率は、従来の治療で61%なのに対し、水素吸入療法により85%に上昇、また、後遺症なく回復した人の割合も21%から46%に上昇することが統計学的に確かめられました。水素は人体に害がないとされており、この臨床試験でも水素が原因と考えられるような副作用は観察されませんでした。実用化すれば多くの患者を救命できると考えられます。

この研究結果は2023年3月17日(日本時間)に eClinical Medicine 誌で公開されました。


水素ガス吸入療法の総括報告内容

報告書の要約 「一定の効果と安全性の再確認がなされた」

有効評価は統計学的優位性を示さなかったが、院外心停止後症候群に対する水素吸引療法は90日後の死亡率の改善と神経学的予後改善に寄与する事が強く示唆された。また本試験に於いて安全性に関する懸念事項は観察されなかった。

「水素ガス吸入療法(告示旧18)」の総括報告書に関する評価について

1. 先進医療の概要及び申請医療機関からの報告の概要

先進医療の名称:水素ガス吸入療法 適応症等: 心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)
医療技術の概要:本邦における院外心停止は、年間10万人以上に発生している。このうち心疾患が原因の心原性院外心停止は約6万人、心停止の目撃があるのは約2万人である。この2万人の1か月後生存率は8%、社会復帰率は4%にすぎない。これは、心停止後に自己心拍が再開しても長期生存がほとんど期待できないこと、たとえ生存できても約半数が高度の後遺障害のため社会復帰できないことを示す。本研究では、心原性心停止が院外で発生し、自己心拍が再開したものの意識障害が遷延する患者を対象に、標準治療として体温管理療法を行い、人工呼吸下で2%水素添加酸素吸入を行う治療法が、神経学的予後を改善するか否かを明らかにする。
○主要評価項目:有効性評価基準:90病日の脳機能良好の割合(CPCで1、2と判定)
○副次評価項目:有効性評価基準:90日生存率とその他脳機能(mRS , GCS , MMSE )
○目標症例数:360例(登録症例数:73例<水素群:39例、対照群:34例>)
○試験期間:2016年12月〜2022年5月臨床研究登録ID : jRCTs031180352、UMIN000019820
医療技術の試験結果: [有効性の評価結果] 主要評価項目では90病日のCPCスコアの1、2を有効、3−5を無効として解析し、水素群は対象群より有効率が高い傾向が見られたものの(オッズ比 1.99: 95%信頼区間 0.78-5.11)、統計的有意差は認められなかった(P=0.15、カイ二乗検定)。 副次的評価項目として、90病日までの死亡率は水素群が有意に低かった(P=0.02、カイ二乗検定)。Cox回帰による生存時間分析では水素群の生存時間が長い傾向が見られた が、有意性はみられなかった。CPCとは異なる神経学的機能の評価としてmRSを用いた場合には、スコア順位は水素群が対象群より有意に低く、水素群の神経学的転帰は良好であった(P=0.01、Mann-Whitney's test)。また、後遺障害や症状の訴えのないmRS0の割合は水素群に有意に多かった(リスク比: 2.18 [95%信頼区間:1.04 ? 4.56]、オッズ比: 3.18 [95%信頼区間:1.12 ? 9.06]、P=0.03、NNT=4.0)。90病日後の生存者のMMSEとGCSについては水素群と対象群の間に有意の差は見られなかった。
[安全性の評価結果] 死亡については副次的評価項目としての「90日後生存率」で水素群が対照群に比して死亡率が低かったことから、水素吸入による死亡の増加は観察されなかったと言える(水素群15%、対照群39%)。また、試験用ガス吸入との因果関係が疑われる死亡は観察されなかった。その他の有害事象についても、人工呼吸管理を要する病態のため肺炎をはじめとした感染症が多く発生し、CRPの上昇が多く報告されたが、その発生頻度は両群間で有意差を認めず、臨床的にも試験用ガス吸入との因果関係を考慮すべき事象の報告はなかった。
[総括] 主要評価項目に挙げた有効性評価は、統計学的有意差を観察しえなかったが、副次的評価項目によって、院外心停止後症候群に対する水素吸入療法は90日後の死亡率の改善と神経学的予後の改善に寄与することが強く示唆された。本試験において安全性に関する懸念事項は観察されなかった。

今後に向けて、

現行の水素添加酸素吸引を行うに際して。ガスボンベと人工呼吸器菅等を接続する方法は充分に効果を期待できる簡便且つ汎用性の高い技術である反面、一症例に付き1.5m直径23cmガスボンベ2本の補完とその管理、人工呼吸器との接続等を含めたヒューマンエラーを招来しやすい状況出る事から、水素吸引療法の有効性をはかる事が最も現実的である事から簡易に吸引を開始できる機器開発が急がれている。

太田成男教授 ナノコ NANOKO シェルスラン 比較
ナノコやシェルスラン、SUISOKUN 等、「水素吸引器比較表」ダウンロードできます。

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